車中泊で一晩過ごすポータブル電源は何mAh必要?【2026年版】WhとmAhの換算表・一晩の家電別シミュレーション

ポータブル電源
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車中泊で一晩過ごすためにポータブル電源(ポタ電)を探していると、「何mAh(ミリアンペアアワー)あれば一晩もつの?」「Wh(ワットアワー)と何が違うの?」と迷う方が非常に多くいます。

結論からいうと、冬の車中泊で電気毛布を一晩(8時間)安心して使うなら「約135,000〜189,000mAh(500〜700Wh)」、夏に車載冷蔵庫と扇風機を回すなら「約270,000mAh(1,000Wh前後)」が失敗しない容量の目安です。

ただし、ポータブル電源は電圧(V)が異なる様々な家電を動かすため、スマホ用バッテリーのように「mAh」だけで比較すると容量を見誤る原因になります。この記事では、WhとmAhの正確な換算方法、車中泊で使う家電ごとの一晩の消費電力量、大容量モバイルバッテリーとの違いまでわかりやすく解説します。

【早見表】車中泊一晩に必要な「mAh(3.7V換算)」と「Wh」の目安一覧

まずは、車中泊の泊数・季節・使いたい家電に応じた必要容量(Whおよび3.7V換算のmAh)を一覧で確認しましょう。

車中泊スタイル・季節 主な使用家電(一晩・約8時間) 一晩の実消費電力量(Wh) 必要なポタ電容量(実効80%考慮) 相当するバッテリー容量(3.7V換算)
春・秋(ソロ・最小限) ・スマホ充電(1〜2回)
・LEDランタン(4〜6時間)
約30〜50Wh 200〜300Wh 約54,000〜81,000mAh
春・秋〜初夏(ソロ標準) ・スマホ充電+タブレット
・LEDランタン
・USB扇風機(弱・一晩)
・ノートPC充電(1回)
約120〜200Wh 300〜500Wh 約81,000〜135,000mAh
冬(ソロ・電気毛布一晩)★最人気 ・電気毛布(中設定・1枚・8h)
・スマホ充電(2台)
・LEDランタン
約380〜450Wh 500〜700Wh 約135,000〜189,000mAh
冬(デュオ)/ 夏(車載冷蔵庫)★万能 ・電気毛布2枚(または車載冷蔵庫24h)
・ACサーキュレーター
・スマホ・PC充電
約650〜800Wh 1,000Wh前後 約270,000mAh
冬・夏連泊 / 車内調理あり ・上記すべて+電気ケトル / 小型IH / 炊飯器 約1,200〜1,600Wh 1,500〜2,000Wh以上 約405,000〜540,000mAh以上

※ポータブル電源の内部バッテリーセル(標準的なリチウムイオン電圧3.7V)を基準に換算しています。
※インバーターのDC-AC変換ロスや低温環境での電圧降下(約20%減)をあらかじめ見込んだ推奨容量です。

WhとmAhの違いとは?なぜポータブル電源は「Wh」表記なのか

スマホのモバイルバッテリーは「10,000mAh」「20,000mAh」と表記されるのに対し、ポータブル電源は「500Wh」「1000Wh」と表記されるのが一般的です。この2つの単位には決定的な違いがあります。

mAh(ミリアンペアアワー)は「電流の量」、Wh(ワットアワー)は「電力量(エネルギー量)」

  • mAh(ミリアンペア時):「どれだけの電流(mA)を何時間(h)流せるか」を表す単位です。電圧(V)の情報が含まれていないため、電圧が異なると同じmAhでも蓄えられているエネルギー量が全く異なります。
  • Wh(ワット時):「どれだけの電力(W=電圧V × 電流A)を何時間(h)使えるか」を表す単位です。実際に家電を動かせる総エネルギー量を示します。

ポータブル電源は、USB端子(5V/9V/12V/20V)、シガーソケット(12V)、家庭用ACコンセント(100V)など、電圧が異なる複数の端子から電力を供給します。電圧ごとにmAhの数値が変わってしまうため、電圧に左右されない統一基準である「Wh(ワット時)」で容量を表しているのです。

WhとmAhの換算計算式

mAhとWhは、以下の計算式で相互に換算できます。

換算したい項目 計算式 具体例
mAhからWhを求める Wh = (mAh × 電圧V) ÷ 1,000 20,000mAh(3.7V)の場合:
(20,000 × 3.7) ÷ 1,000 = 74Wh
WhからmAhを求める mAh = (Wh ÷ 電圧V) × 1,000 500Wh(3.7V換算)の場合:
(500 ÷ 3.7) × 1,000 = 約135,135mAh

電気の単位(Wh・W・V・A)の詳しい基礎知識については Wh・W・V・Aの関係とは(やさしい電力計算) で解説しています。

【換算表】主要ポータブル電源のWhと相当mAh一覧

リチウムイオン電池の内部セル電圧(3.7V)を基準にした、主なポータブル電源容量の換算一覧です。

ポータブル電源の公称容量(Wh) 相当するmAh(3.7Vセル換算) USB出力(5V)換算でのmAh 車中泊での主な用途・目安
約74Wh(20,000mAhモバ電) 20,000mAh 14,800mAh スマホ2〜4回充電(車中泊の本格家電には不足)
約185Wh(50,000mAh超大型モバ電) 50,000mAh 37,000mAh スマホ複数回+USBファン(電気毛布は短時間のみ)
256Wh〜300Wh 約69,000〜81,000mAh 約51,200〜60,000mAh 春秋1泊(スマホ・照明・小型扇風機)
512Wh〜600Wh 約138,000〜162,000mAh 約102,400〜120,000mAh 冬1泊(電気毛布1枚+スマホ充電)に最適
700Wh〜768Wh 約189,000〜207,000mAh 約140,000〜153,600mAh 冬1泊(電気毛布+PC作業)ゆとりサイズ
1,000Wh〜1,024Wh 約270,000〜276,000mAh 約200,000〜204,800mAh 冬2人車中泊(電気毛布2枚)/ 夏(車載冷蔵庫24h)
1,500Wh〜2,048Wh 約405,000〜553,000mAh 約300,000〜409,600mAh 無充電2泊連泊 / 車内調理(ケトル・IH・炊飯器)

【家電別】車中泊で一晩(約8時間)使う場合の消費電力量シミュレーション

車中泊で使う代表的な家電製品の消費電力(W)と、一晩(約8時間)使用した場合の実消費電力量(Wh)、および3.7Vセル換算での必要mAhをまとめました。

家電・機器 消費電力(W) 一晩の想定使用時間 一晩の実消費電力量(Wh) 相当する消費容量(3.7V換算mAh) 備考・節電のコツ
スマホ急速充電 約15〜25W 約2時間(1台分) 約15〜25Wh 約4,000〜6,700mAh USB直結で変換ロスを最小化
LED車内灯・ランタン 約3〜10W 4〜6時間 約15〜40Wh 約4,000〜10,800mAh USB給電・調光機能付きが省電力
USB小型扇風機 約5〜10W 8時間(就寝時) 約40〜80Wh 約10,800〜21,600mAh 夏の寝苦しさ対策に必須
電気毛布(弱〜中・1枚) 約25〜40W(平均) 8時間(就寝時) 約200〜320Wh 約54,000〜86,500mAh サーモスタット断続通電のため平均W数は低め
電気毛布(強・1枚) 約50〜60W(平均) 8時間(就寝時) 約400〜480Wh 約108,000〜130,000mAh 真冬の寒冷地で使用する場合
車載冷蔵庫(15〜25L) 約30〜45W(稼働時) 24時間連続(一晩8h分) 約120〜180Wh(夜間分) 約32,400〜48,600mAh 保冷剤併用・ECOモードで消費減
ノートPC 約45〜65W 2〜3時間 約90〜195Wh 約24,300〜52,700mAh USB Type-C(PD給電)を活用
電気ケトル(湯沸かし1回) 約800〜1200W 約4〜5分 約60〜100Wh 約16,200〜27,000mAh 定格出力1000W以上のポタ電が必要

電気毛布のより詳細な温度別・人数別の実測値シミュレーションは 車中泊で電気毛布を使うポータブル電源の必要容量【2026年版】一晩(8時間)の消費電力・実測値と計算シミュレーション、全体の容量目安は 車中泊のポータブル電源 容量目安【2026年版】家電別・泊数・季節の計算ガイド をあわせてご覧ください。

失敗しないポータブル電源容量の計算式

使いたい家電の組み合わせが決まったら、次の3ステップで必要なポータブル電源のスペックを算出します。

計算ステップ 計算式 計算例(冬のソロ車中泊)
ステップ1:各家電の消費Whを合計 家電A(W×h) + 家電B(W×h) = 実消費Wh合計 ・電気毛布中(35W × 8h = 280Wh)
・スマホ2台(20Wh × 2 = 40Wh)
・LED照明(5W × 4h = 20Wh)
実消費合計 = 340Wh
ステップ2:実効効率(0.8)で割る 必要公称容量(Wh) = 実消費Wh合計 ÷ 0.8 340Wh ÷ 0.8 = 425Wh
ステップ3:安全マージン(予備20%)を加味 推奨容量(Wh) = 必要公称容量 × 1.2 425Wh × 1.2 = 510Wh以上(500〜700Whクラス)

なぜ「公称容量の約80%」しか使えないのか?

ポータブル電源に「500Wh(約135,000mAh)」と記載されていても、その数値を100%使い切ることはできません。以下の3つの要因で電力が減少するためです。

  1. DC-AC変換ロス(約10〜15%):バッテリー内部の直流(DC)からコンセントの交流(AC100V)へ変換する際、インバーターの発熱等でエネルギーが失われます。
  2. BMSの過放電保護領域(約5〜10%):電池の劣化を防ぐため、残量0%表示でも微量の電力が保護領域として残されます。
  3. 低温時の電圧低下(冬場に約10〜20%減):外気温が氷点下になる冬の車内では、バッテリー内部の化学反応が鈍り、取り出せる実効容量が一時的に低下します。

そのため、「使いたい電力量 ÷ 0.8」で計算し、さらにワンサイズ上のモデルを選ぶのが、夜間のバッテリー切れで凍えるのを防ぐ鉄則です。

大容量モバイルバッテリー(20,000〜50,000mAh)で車中泊一晩は越せる?

「手元に20,000mAhや30,000mAhのモバイルバッテリーがあるけれど、これで車中泊一晩いける?」という疑問を持つ方も多いでしょう。

モバイルバッテリーで「できること」

  • スマホやタブレットの充電:20,000mAh(約74Wh)あれば、スマホを3〜4回フル充電できます。
  • USB LEDランタンの点灯:一晩中(8時間)点灯させても約20〜40Whなので十分持ちます。
  • USB小型扇風機(夏):弱運転なら一晩稼働可能です。

モバイルバッテリーでは「無理なこと・限界」

  • 家庭用AC100Vコンセントを使う家電:通常のモバイルバッテリーにはACコンセントがないため、一般的な電気毛布やノートPC用ACアダプタは接続できません。
  • USB給電式ブランケット(冬の一晩):5V/2A(10W)程度のUSBブランケットなら20,000mAhで約6〜7時間動きますが、発熱量が小さく(約10W)、氷点下近くになる冬の車中泊の防寒としてはパワー不足です。
  • 車載冷蔵庫・調理家電:電圧(12V〜100V)や出力ワット数が足りず動作しません。

結論:「スマホ充電と照明だけの春秋ソロ車中泊」なら大容量モバイルバッテリーでも乗り切れますが、「冬に電気毛布でしっかり暖を取りたい」「夏に車載冷蔵庫を使いたい」なら、ACコンセントを備えた500Wh以上のポータブル電源が必須です。

車中泊用ポータブル電源を選ぶときの4大重要スペック

容量(mAh / Wh)以外にも、購入時に必ずチェックすべきスペックが4つあります。

1. 定格出力(W)が使いたい家電を上回っているか

「容量(Wh)」は使える時間の長さ、「定格出力(W)」は動かせる家電のパワーです。容量がいくら大きくても、定格出力が家電の消費電力より小さいと動きません。

  • スマホ・照明・電気毛布・扇風機:定格出力300〜500Wで十分
  • 車載冷蔵庫・ノートPC:定格出力500〜600Wで安心
  • 電気ケトル・小型IH・炊飯器・ドライヤー:定格出力1,000〜1,500W以上が必要

家電ごとの必要ワット数の詳細は 車中泊のポータブル電源は何ワット必要?【2026年版】定格出力(W)と容量(Wh)の違い・家電別ワット数一覧 をご覧ください。

2. AC出力波形は必ず「純正弦波(正弦波)」を選ぶ

家庭のコンセントと同じ滑らかな波形を出力する「純正弦波」モデルを選びましょう。安価な製品にある「修正正弦波(疑似正弦波)」や「矩形波」は、電気毛布の温度センサーやタイマーコントローラーを誤作動させたり、故障の原因になります。

波形の違いについては ポータブル電源 正弦波・純正弦波と矩形波の違いとは?車中泊・キャンプで使えない家電も解説【2026年版】 を参照してください。

3. バッテリーセルは「リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePO4)」が標準

現在の主要メーカー(Jackery、EcoFlow、Anker、BLUETTIなど)は、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用しています。充放電サイクルが約3,000〜4,000回以上(毎日使っても約10年間使用可能)と非常に長寿命で、熱分解温度が高く発火リスクが極めて低いため、閉鎖空間である車中泊でも安全に使えます。

4. 車中泊を快適にする付加機能(走行充電・パススルー)

  • シガーソケット走行充電(12V/24V):移動中の車のシガーソケットから充電できる機能。連泊時にバッテリーを回復できます。
  • 急速AC充電:自宅のコンセントから1〜1.5時間程度で満充電できる機能。出発前の準備が格段にスムーズになります。
  • PSEマーク(電気用品安全法適合):国内の安全基準をクリアしている証拠として必須です。

車中泊のポタ電選びでよくある質問(FAQ)

質問 回答・アドバイス
Q. 通販で見かける「100,000mAhポータブル電源」は車中泊で使えますか? A. 約370Wh相当の小型モデルです。 100,000mAh(3.7V換算)は電力量に直すと (100,000 × 3.7) ÷ 1,000 = 370Wh です。スマホ充電やLED照明、弱設定の電気毛布(約5〜6時間)には使えますが、真冬の一晩連続使用や複数人使用には容量がややタイトです。容量を大きく見せるためにmAh表記を前面に出している製品もあるため、必ず「Wh」を確認しましょう。
Q. 冬の車中泊で電気毛布を一晩使って朝まで切らさないための最低容量は? A. 最低でも500Wh(約135,000mAh)、できれば600〜700Whクラスが安全圏です。 電気毛布(シングル・中運転)は8時間で約280〜360Wh消費します。変換ロス(0.8)を加味すると 360 ÷ 0.8 = 450Wh 必要になるため、300Wh前後の小型モデルでは深夜2〜3時に電池切れになります。
Q. ポタ電のmAhを計算するときは3.7Vと5Vのどちらを使えばいいですか? A. バッテリー内部セルの表記は「3.7V」、USB端子出力の実効量は「5V」で計算します。 カタログ等で「◯◯mAh」と大きくアピールされている数値のほとんどは内部セル電圧(3.7V)基準です。USBポートからスマホへ給電する際の実容量を計算したい場合は5Vで換算します。混乱を防ぐためにも、ポータブル電源の比較は「Wh」で行うのが最も確実です。
Q. セラミックヒーターをポータブル電源で一晩動かせますか? A. 動かせません。 ファンヒーターは弱運転でも500〜600W、強で1200W消費するため、1000Whの大容量電源でも1〜1.5時間でゼロになります。車中泊の防寒は「電気毛布(30〜50W)+高断熱マット+冬用シュラフ」の組み合わせが鉄則です。防寒装備の詳細は 車中泊 暖房【2026年版】電気毛布・ヒーター・湯たんぽ・寝袋・防寒マットを比較 をご覧ください。

まとめ:車中泊一晩のポタ電は「Wh」を基準に用途に合わせて選ぼう

車中泊で一晩快適に過ごすためのポータブル電源選びのポイントをまとめます。

  • 容量選びの基本:mAhではなく「Wh(電力量)」で比較する(Wh = mAh × 3.7V ÷ 1,000
  • 春秋のソロ車中泊(充電・照明のみ):200〜300Wh(約54,000〜81,000mAh)
  • 冬のソロ車中泊(電気毛布1枚で一晩快眠):500〜700Wh(約135,000〜189,000mAh)が黄金サイズ
  • 冬のデュオ(電気毛布2枚)または夏の冷蔵庫:1,000Wh前後(約270,000mAh)
  • 選び方の安全ルール:実消費電力量を「0.8」で割り、純正弦波・リン酸鉄リチウムイオン電池モデルを選ぶ

具体的なおすすめモデルや詳細な機能比較は 車中泊 ポータブル電源 おすすめ【2026年版】用途別・容量別の選び方と注意点、車内での設置方法や安全マナーは ポータブル電源 車中泊【2026年版】必要容量・使い道・置き場所と安全の注意点 をあわせてチェックしてみてください。

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